学部4年の井出です.卒論も無事提出し,いよいよ卒業が近づいてきました.卒業間近に「技術力もコミュ力も無いこんな自分でも社会に出て働いて大丈夫なのか?」と不安になることがあります.特に,2026年現在では生成AIを使用したコーディングも良く聞くようになり,全くプログラミング経験がない人が生成AIを使って社内ツールを作ったなんて話も聞きます.そんな中,エンジニアとして生成AI以上の付加価値を自分に見いだせるのか不安になります.ということで今回は近い未来,技術革新によりアンドロイドが開発・普及し人々の生活を大きく変えた後の世界をとある3人のアンドロイドの視点で描いた「Detroit: Become Human」というゲームを紹介します.
概要
「Detroit: Become Human」はストーリー重視のアクション・アドベンチャーゲームです.舞台は2038年のアメリカ,従順で本物の人間のように働く事ができる人型のロボットであるアンドロイドが開発され,それらが介護,警察,医療などあらゆる職業で普及.アンドロイドにより人々の生活は豊かになった反面,職を奪われた人も多く,アンドロイドに対する差別が横行します.このゲームでは,そんな世界で暮らす3人のアンドロイド,コナー,カーラ,マーカスのそれぞれの物語を描きます.最初,主人公達に面識はなく,全く別の背景と立場で物語は進んでいきます.物語が進むにつれ,主人公達の物語が交差したり,過去のプレイヤーの選択や行動がその後の主人公の物語に影響していきます.このゲームはエンディングが複数あるのですが,そこに至るまでの分岐が無数にあり,プレイする人によって別の物語になるのがこのゲームの特徴です.ゲームオーバーは無く,どの選択をしても物語は進んで行きます.この,選択の結果で何が起きても物語が進んでいく所が,そのキャラクターの人生を追体験しているようで非常に没入感があります.しかし,ゲームである以上,物語を遡って選択をやり直すことは可能です.ですが,一度はやり直さずにエンディングまでプレイしてほしいゲームです.
コナー
警察の捜査をサポートするために製造された男性型のアンドロイドです.物語では高い分析力,洞察力,コミュ力を活かして様々な事件の捜査や犯人の尋問を行うはずです.変異体と呼ばれる,感情や自由意思のようなものが芽生えたアンドロイドの調査するようプログラムされており,主にアンドロイド絡みの事件を担当します.物語ではハンクというアンドロイド嫌いの人間の警察官と共に行動しており,二人の対立や友情が描かれます.コナーに関しては「28箇所の刺し傷だぞ!」とか「開けろ!デトロイト市警だ!!」とかのネットミームが有名です.正直このネットミームを履修するためにプレイしたまであります.プレイヤーの選択によってはポンコツになったりして面白いキャラになっています.
カーラ
家政婦の仕事をするようにプログラムされた女性型のアンドロイドです.トッドというアル中&薬中の男性が所有者で,家事や娘のアリスの世話を任されます.最初は事故により記憶がリセットされた状態で始まり,トッドの指示に従って家政婦の仕事を遂行します.しかし,アリスが虐待されている現場を目撃して,変異体となりアリスとの逃避行を決行します.カーラの物語は感情が芽生えたアンドロイドの母性愛や家族愛を描いています.選択によっては悲惨な結末になるので,くれぐれも選択は慎重に.
マーカス
カールという病気がちな画家のお爺さんの介護とアシスタントを務める男性型のアンドロイドです.カールからは実の息子のように大切に扱われていますが,カールの実の息子のレオからはそのことを妬まれています.ある日,金の無心に来たレオとカールが口論になり,それに巻き込まれたマーカスはレオから暴行を受け変異体になります.ここでカールが倒れてしまい,駆けつけた警察にマーカスは破壊,廃棄されてしまいます.奇跡的に蘇ったマーカスは廃棄場で他のアンドロイドからジェリコと呼ばれる場所を聞き,そこに向かいます.ジェリコには人間に隠れながらただシャットダウンを待つだけのアンドロイド達がおり,その現状を目の当たりにしたマーカスはアンドロイドの自由と権利のために立ち上がります.この物語はカールがマーカスにとっても,プレイヤーにとっても大きな存在になっているなと感じました.カールはほぼ序盤にしか出てこないのですが,そこでマーカスにかける言葉がすごく印象的でプレイヤーの心にも響く内容になっているなと思います.実際,私がこのゲームをやろうと思ったきっかけの一つが彼の言葉ですし.そんな,プレイするきっかけとなった彼の言葉を紹介します.これはカールとマーカスがスピードチェスをする場面で,マーカスがわざと負けると聞けるセリフになります.
投げ出してはダメだ
勝てるならば勝て
そうやって人間は世界の支配者になったんだ
どのルートも共通かもしれませんがその後,こんな言葉が聞けます.
人間は皆 同じであることを求めるものだ
だがその言葉に惑わされてはいかんぞ
人間の都合の良いよう従うアンドロイドに対する言葉として衝撃的で,マーカスのことを人として対等に扱っているのがわかるセリフで印象的でした.このようなカールの言葉が,マーカスに自由のために立ち上がらせる勇気をもたらしたのではないかと思います.これ以外にもカールは名言製造機として,いろんな名言をのこしているのでぜひ自分でプレイして聞いてほしいです.
卒業にあたって思うこと
長くなりましたが,最後に卒業にあたって思うことを書きます.この大学4年間を振り返ってみると,重要な選択をすることが多かったように感じます.特に研究室と就活に関する選択が大きかったように感じます.これまでの選択が全て正しかったかと聞かれると,まだ分からないことが多いですし,失敗したと思うことも多かったです.ですが,現実はゲームのようにやり直したりはできないので,現状でやれることをやるのが大事だとこの4年間で実感しました.特に卒業課題は自分ができることが限られているので,できることを見極めて無理のないテーマに決めるのに苦労した記憶があります.苦い経験ですが,それも自分の限界を知る良いきっかけになったような気もします.そう考えると,失敗だと思っていた選択も,自分がネガティブに考えているだけで今後役に立つかもしれないですね.今後の人生において,どんな選択をしてもゲームオーバーにはなりませんし,失敗はつきものだと思うので,どんな選択をしても後悔しないように,その時できることを全力でやるようにしたいと思います.