研究の進め方(ざっくり)

研究の手順

経験談を基に,卒業・修士研究の手順を述べていきます.ここでの研究についての記述は,全て自身の体験談です.進め方は,もちろんどんな研究をするかや環境により異なります.あくまで参考程度に.
手順は以下の通りです.
テーマ決め→課題,ユースケース決め→課題の基礎実験→提案決め→実装→評価

テーマ決め

思考を発散させることが大事.この段階では,実現性を深く考えずにアイデアをたくさん出す.アイデアが出ないなら,自分や周りの経験から考えてみる.

課題,ユースケース決め

「ユースケースが決まっている」とは,大まかには「自身の提案がどのような環境で使われるかを説明できる」ということです.大体の基準として,いつ,だれが,どこで,何をしているのかが言えると最低限という感じです.課題とユースケースは同じタイミングで定める必要があります.課題のみを考えたところで現実味がないからです.背景と課題で迷う人がいますが,大体人の困るところが課題になります.例えば,CPUの使用率が100%になっていても課題にはなりませんが,ユーザの待機時間が増加すると課題になります.

課題の基礎実験

課題を決定したら,課題が本当に発生することを実験で確かめます.この時,現実に即した環境で実験することを心がけます.マジックナンバーは避けつつ,自身が実験できる規模に収められることが理想です.

提案決め

提案には,独自性が求められます.トレードオフを破るような提案が理想ですが,多くの人は決められた時間内にアイデアを出すことが難しいです.決めやすい提案として,トレードオフを特定のユースケースにおいていい感じのところに落ち着ける提案だったり,2つの既存手法を状況に応じて切り替えるような提案が思いつきやすいと思います.したがって,ユースケースは課題のためだけでなく,提案決めにおいても定める必要があります.ユースケースにより状況を限定し,かつそこでしか使わないような変数を提案に取り入れることで,自身の研究に独自の価値を付与しやすいと考えています.

実装

多くの時間を割きがちなので,先に最低限評価するためどの機能を実装すべきかを整理すべきです.モニターと向き合う作業なので没頭しやすく,詰まっている場合は周囲の人に相談するべきです.

評価

課題の基礎実験と同様,現実に即した実験をすべきです.世の中にはシミュレーションにあふれていて,別にそれでも査読は通せますが,どこから出てきたか分からない初期値を使っても説得力には欠けるでしょう.提案にさほどアピールできるような効力がない場合,評価をしっかり行うことでアピールするとよいでしょう.

まとめ

以上が私の体験談に基づく研究の進め方です.基礎的かつ抽象的な内容でしたが,お役に立てると幸いです.

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